北海道の就労支援を視察してきました

年度明けてからすっかりブログが滞っておりました。
心機一転就労支援のつれづれをお伝えしたいと思います。

さて、6月26日~28日北海道で就労移行支援研修があり、せっかくなので札幌市の就労支援機関の視察も含めて行って参りました。
札幌市は市単独で運営している就業・生活支援センターがあり、そのひとつの「就業・生活応援プラザ とねっと」さんを訪問しました。
NPO法人が運営しており、特徴的なのが働いている人の定着支援としてたまり場支援や余暇支援を地域活動支援センターで行っているところです。
営業時間が夜18:00~20:00と、終業後集まって、ゲームをしたり、テレビをみたり、お茶をしたり思い思い過ごす場所の提供や定期的に余暇企画や勉強会などを行って、
仕事以外の有意義な時間の過ごし方や生活面の相談などを行っています。普段は10名前後らしいのですが、企画行事は人気で100名近く参加されることもあるようです。
みなさん対人面が苦手だったり、余暇の幅が狭かったりして、働いてお金を稼いでも、有効に活用したり、上手にストレスを発散することができないため、
こうした余暇支援や生活支援は仕事を続けていくための大事なサポートです。
私たちも定期的に「ジョブあしすとUMAサロン」を行っていますが、気の合う仲同士が集まる場の提供も今後考えていきたいと思いました。

次に、就労移行支援事業所を2ヶ所見学しました。
どちらも実績をあげているNPO法人で、札幌という政令指定都市ならではの部分と地方という共有できる点がありました。
「あずあいむ」さんでは就労移行支援事業所と就労継続支援B型事業所の多機能型40名定員で、これまでの就職者は53名です。
年齢の高い人から送り出したということで、今の平均年齢は20代と若く、発達障害の方が多く訓練していました。
特徴的なのが、昼食を自前で調理し提供していることです。就労移行支援を中心に行っている事業所では珍しいと思います。
理由を聞くと、通ってくる人は就労支援以外に福祉サービスを受けていない人が多く、中には一人暮らしをしている人もおり、たいていコンビニ弁当など出来合いのものばかりで、さびしいから、昼食くらいは手作りのあたたかいご飯を食べさせたいとのことです。ここでも働く支援だけでなく、その人の生活全体を見るという視点に基づいた支援が為されているのだなと思いました。
もう1ヶ所は「ぱすとらる」さん。市内ですが、少し郊外に近い地域の商店街のビルの中で就労移行支援事業所のみ運営しています。
商店街での活動の接点が多くあり、空き店舗を活用したカフェを運営し、接客訓練の場となっているようです。
また商店街の企画チラシやティッシュ配りを請け負ったり、カフェの前のバス停の方向けに「バス待ちコーヒー」と銘打ってコーヒーを出前販売したり(冬の北海道ならでは。-15℃にもなる外でのバス待ちの間の暖かなコーヒーは歓迎されるとのこと)、地域の中に溶け込んだ支援があたたかいなと思いました。
どちらも就職したら一旦事業所を卒業するのですが、その後も職場訪問や個別相談にのったり、OB会を開いたり、定着支援がずっと続きます。

就労移行支援は制度上2年間なので、就職がゴールでその後の支援は何の保障もないようですが、実態はそこでさよならというわけにはいかないようです。
働きたい、働き続けたいということは、所得を得ることだけが目的ではなく、自分の人生をいかによりよく生きていくか、幸せになっていくかということにもつながり、
そのための支援はずっと続くのだと改めて感じました。

もちろん滞在中は北海道の味覚を存分に堪能してきました。

azuaimu                      pasutoraru02

カテゴリー: 報告 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です